2012年10月11日木曜日

遠田誠さん<からだで遊ぶ!コンテンポラリーダンスレッスン>1回目レポート!



舞台芸術の学校(P.A.I.) 2012年度2期のレッスンレポート!今回は、ダンサーの遠田誠さんにお越しいただきました!


遠田先生は「まことクラヴ」主宰(部長)。これまでにも数多くの受賞歴をお持ちですが、
今年8月にシアタ―トラムで公演された新作「密室」が話題となったことも記憶に新しいところです。

そんなご多忙な遠田先生に、今期2コマのレッスンにおこし頂けることになりました!

先ずは初めましての自己紹介からの、目線のワーク。
“見る”という行為も、様々な見かたがあります。凝視、傍観、達観、俯瞰、共感(”カン”違いも含んでいますが)。
おなじフォルム、ポーズでも目線の方向の違いによって、まったく見え方が変わってくる!










次は、「丹田抜き打ちテスト」。
やってみると、以外と皆ふにゃふにゃ・・汗

というわけで遠田誠先生直伝”丹田エクササイズ”を教わることに。

体全体でひらがなの”つ”の様な形を一瞬でつくるエクササイズ。

「ゼルエルみたいな感じで!!」という言葉に一同急激に脱力、集中、呼吸、勢いのイメージが具体化しましたw





















今度は、人間ボールに挑戦!膝を抱えてぽんぽんとはねて
みますが・・・なかなか出来ません!
遠田先生は軽快にはねていらっしゃいました・・・!





これまでにも丹田(おへその下)を意識することは多々ありましたが、
新しいエクササイズでより一層からだへの理解がふかまりました。
そして不自由さも改めて実感・・・



次は、樽を抱えたようなイメージでのジャンプ。
”ダンサーならぬ“タルサー”としてのジャンプを!”

とにかくレッスンは一環して楽しいムード!
独特の表現でのイメージ共有で、からだとことばを繋いでゆきます。









レッスン後半はマニュピレーションに挑戦!
マニュピレーションとは他者のニュートラルなからだを自由に動かし、ポーズや空間を作ってゆく手法です。
マニュピレートしてゆく中で、他者のからだの重心や可動域を学んだり、相手から力の受けとめ方を体感しました。

ポーズのグラデーションをつくるワークも◎連続でやると、面白い流れができました◎






からだでとことん遊んだ 笑いっぱなしの2時間となりました!



最後はマニュピレーションで出来たポーズを組み合わせて1枚!まるでジョジョ立ちですねw



舞台芸術の学校 2期のカリキュラム公開中!
http://kikh.com/pai/openschool/

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2012年10月5日金曜日

KENTARO!!さんHIP HOPテクニック&創作ワーク

KENTARO!!さんHIP HOPテクニック&創作ワーク


P.A.I.の2期スタート、2日目の9月21日、HIP HOPテクニック&創作ワークに
KENTARO!!さんにお越しいただきました!

KENTARO!!さんはダンサー・振付家、CLUBシーンでの活躍から
コンテンポラリーダンスとの出会いをへて現在はダンスカンパニー東京ELECTROCK STAIRS
を主宰されています。ドイツ3都市単独ツアー公演や先日東京、京都で上演された
新作『最後にあう、ブルー』も大変な話題となりました。

この日は、ストリートダンス、コンテンポラリーダンスのお話から始まり、
KENTARO!!さんのオリジナリティ溢れる動きはどこから生まれるのか、垣間見ることができたワークとなりました!

まずは、ストレッチからリズムトレーニング、そして表現につながる動きをHIPHOPの音楽と振り付けでレッスン。

「関節をバラバラに使えた方が得だ」というお話や、
「体の角度や立つ場所によって、お客さんへ与える印象が変わってくる」
「お客さんの想像力をどのようにしたら掻き立てられるのか」というお話を交えながら、
第一線でご活躍されるダンサーとして、そして振付家として、
双方の経験からの貴重なお話を聞かせていただくことが出来ました。

「人とは違う、自分の魅力とは何か。」
「既に、スタイル化されているジャンルを踏襲しながらも、いかにオリジナリティを出していくか。」
などHIPHOPの基礎を踏襲しながらも新しい表現に挑戦されている
KENTARO!!さんだからこそ見えてくる新しい領域も伺い知ることができました。


後半は、創った振りをベースに、2グループに分かれ、
ヒップホップとは違う歌詞のある曲で、3分程度の作品創作を行ないました。

研究生の創った振りつけと、ヒップホップの振り、即興を組み合わせてKENTARO!!さんが構成します。
グループメンバーの個性や、それぞれの踊りの雰囲気などを見ながらの構成で、
同じ振りつけが含まれているにも関わらず、両チームが全く違う雰囲気の作品が完成!

ヒップホップは初体験のPAI生も多い中、そんな空気感も含めて丸ごと構成することで、
この授業の時間とメンバーにしかできない作品を創ることができました!

そこにある素材(人、物、場所、時間など)をどう最大限に生かしていくことが出来るのか、
これから演出や作品作りをする上でとても勉強になったレッスンとなりました!

また、 最後に贅沢にもKENTARO!!さんの即興を見せていただきP.A.I.生一同感激・・・!
(しかも先程まで自分たちが踊っていた同じ曲を使って!)
踊り終えた後も、KENTARO!!さんが即興に対する意識の持ち方を飾らず話してくださいました。



最後はみんなで、KENTARO!!マークで1枚!






KENTARO!!さん、ありがとうございました!!!

2012年10月3日水曜日

<からだの座学>あきゅらいず美養品 社会環境活動:宮内俊宏さん

<からだの座学>あきゅらいず美養品 社会環境活動:宮内俊宏さん
 舞台芸術の学校(P.A.I.)2期が9月からスタートしました!<からだの座学>ももちろん展開してゆきます。

今期1発目の座学におこしいただいたのは、あきゅらいず美養品の宮内俊宏さん。

あきゅらいず美養品は「美しさをカタチづくるのではなく美を養うことからはじめよう」
ということで2003年からスタートしたスキンケアの会社です。学長小池の率いたパパ・タラフマラのファイナルフェスティバルより現在に至るまで、あらゆる形での応援、サポート、共作活動を頂いております。その中で展開される「森の楽校」で”社会環境活動”という取り組みをされていらっしゃるのが、本日お越しいただきました宮内俊宏さんです。

社会環境活動とはなんでしょうか?宮内さんは講義のなかで、みんな生き苦しくない?という言葉と共に、「日本の社会環境悪化の原因を究明し改善してゆこう」と言う活動だと説明してくださいました! P.A.I.生一同、なるほどです。

今回は”トーキングオーバー”という手法を使って座学を展開していこうということになりました。トーキングオーバーとは直訳すると「語り合う」という意味。そこに
talk over (a cup of) teaと加わると「お茶をのみながらだらだら話す」という意味合いになります。今回も、お茶をみんなで飲みながら、1つのテーマについて話を進めることに!
そのテーマとはズバリ「アートとは何ぞや?」でした。

 核心を突いた命題に多少びびりつつも、それぞれ思い思いにアートについて語ってゆくみんな。自分の生活に引き寄せた意見や、いままでまったく意識したことがなかったという意見も。場を創ることや、古典芸能について、芸術との距離について考える言葉も交わされました。
 そのなかで「芸術、という言葉はそもそも外来語では?」という話になり、宮内さんにレクチャーして頂くことに。

日本の芸術という言葉は、そもそもギリシャ文明からやって来たアルテス リベラーレスを語源にもつ【リベラルアート】を、明治時代に西あまねが和訳(造語)して【芸術】となったのだそうです。おそらく、現代で“一般的に”とらえられる【芸術】という言葉と、語源からたどる本来的な意味合いでの芸術は、どうも差異が生じて来ているようにも感じられました。

 また、社会とアートの接点についてという方向にも話は転がりました。
1930年代にアメリカで実施された「フェデラルアートプロジェクト」 に話が及び、世界大恐慌時代と現代を重ね合わせてのレクチャーは、本当に鬼気迫るものがありました。

接点はそれぞれですが、現代を、そしてこれからの時代をアートと関わりながら生きていきたいと考えるP.A.I.生たちも、本音をぶつけ合います。
「美大出身ですとかいうと、クリエイティブ系だねーとか言われて、クリエイティブ系ってなんだよ!とか思う。」
「“舞台は社会の鏡である”という言葉を以前耳にしたことがあり、それを実践するためにPAIに来た。」「社会に(世界に)押しつぶされそうになることがよくある。」
「それは、今の社会の構造や環境に改善すべきところがあるのではないか。」
「他の文化圏ではどのようにしてアートは生きているのか。」
「伝統芸能には一つの道具的役割として、目に見えない補完環境を生み出すという側面がある。」
などなど・・すべては書ききれませんが、溢れる思いや、考え、感じたことを語り合ってゆきました。


いま自分のいる場所で、自分の生きる方法を探ること、そしてあらゆる領域をこえてゆこうとすること。また、それを可能とする社会を、一人一人が能動的に築き上げてゆこうとすること。それこそが自分のやりたいことと、生きることを近づけられる唯一の方法であると、確信した2時間。


そんなことを感じ合える場を創造出来たこと、これこそが「社会環境活動」 なのだろうと実感し、2時間前よりも少し強く、逞しくなれたPAI生達なのでした!


2012年10月2日火曜日

<からだと旅する夏合宿2012>レポート!

8月に実施された《からだと旅する夏合宿2012》。
こちらに事務局として同行した佐藤より、レポートが届きました!

ちょっと感動的なので、皆さまにもご覧いただければと思います。


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8/23(木)~8/28(火)
 長野県伊那市高遠の山奥にある元分校で今年も実施された舞台芸術の学校(P.A.I)プレゼンツ「からだと旅する夏合宿」。P.A.I.生、ワーク ショップ生と共に行って参りました!

私(佐藤)としても初の参加でどんな場所なのか、どんなことをするのか分からずドキドキでしたが、帰って来た今 「本当に行ってよかった」という気持ちでいっぱいです。

うまくまとまるか分かりませんが、レポートします!


宿泊施設兼ワークショップ施設となる分校は山のふもとから車で約40分の本当の山奥にありました。体育館、宿泊場所、キッチン、食堂、教室が揃い、合宿中 は皆で自炊をしながら過ごします!蛇口をひねると近くの川から引いて来た湧き水が溢れ出しました。分校の川を挟んですぐ裏手に裏山があり 、山中では鹿やイタチ、猫、いろいろな動物に出会うことができました。

 
今年のワークショップ生のみなさんは学生の方から主婦の方、医師の方まで年齢層もご参加された背景も様々でしたが、寝食を共にする生活の中で皆さんと楽 しくすごし、いろいろなことを話したりきいたりしました。また、ワークを通して見えてる皆さんの表情にドキッとさせられることも多く、それぞれにとても魅 力的な方ばかりだなぁ、と思いました。

また、今年とても恵まれていたことといえば天候でした。雨が続いた回もあったときいていたのですが、今年に限っては連日の晴天!毎日山へ、森へ、行き、ワークをすることができました!

森では講師の小池さんや松島さんの指導のもと、様々なワークが展開されていったのですが、その中で参加のみなさんは自分自身のからだや自分たちを取り囲む 自然と対話し、他者に気づき、記憶が辿り、感覚も研ぎ澄すまされていっているのを感じました。P.A.I.生もワークショップ生も、みなみるみるうちに顔 が生き生きとしてゆきました。”自分の生きたからだを取り戻した”その瞬間を目撃したのだと感じました。私はただ見ているだけで言葉にならない勇気をもらいました。





 夜には、みんなで今日一日を振り返り、語り合い、体験や思いを言葉にして共有しました。

 そうやって創り上げられた作品の持つパワーは、都会の劇場の中で観るようなものとは、比になりません。参加者一人一人の生命力が溢れ出て、拡散していく様子はただただ圧倒的でした。

 5日目の夜には、講師陣によるパフォーマンスも見ることができました!その時間があまりにも強烈で、観ていた参加者のなかには涙する人も、観劇後、ただ茫然としてしまう人もいました。

 そしてワークショップ生が帰ったあとの最終日には、研究生の個人作品の発表も行ないました。それぞれがこの6日間で吸収したもの、自分のなかの変化を思う存分作品に注ぎ込んだ個々の作品はどれも魅力に溢れ、深く自己追求した結果が現れていました。


 参加者一人一人が、大自然のなかで自分の身体の内なるなにかと出会い、それを覆い隠してきたものを取り払い、こころと身体を解放する記憶を得ることのできた合宿になったのではないかと思います。

この合宿が、ご参加されたみなさんにとっていい変化をもたらしてくれることを願ってやみません。

ありがとうございました。


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今週末には早速合宿参加のみなさんで飲み会が開催されるそうです☆