2012年12月18日火曜日

<からだの座学>岡崎彰先生「文化人類学」

今回は一橋大学部社会学研究科の岡崎彰先生にお越しいただきました!

テーマは「からだを人類学する」。
そもそも人類学ってなに?という疑問から、わかりやすく、世界の文化・芸術の映像を交えながら講義をしてくださいました。



 岡崎先生の専門は文化人類学。人類学は生きている人間を扱う、唯一の学問と言われています。自分と異なる他者の生活や文化圏に入り込み、フィールドワークを行うことで、自己を相対的、客観的に見ようとする学問。頭だけでなく、からだをフルに使って学ぶという面で、人類学者が行っていることとPAI生が毎日行っていることは共通しています。岡崎先生もこれまでアフリカやヨーロッパで生活しながら研究を続けてきました。先生が集めてきた映像資料の一部を本講義でも見せていただきました。










 私たちが知らず知らずのうちに行う仕草や挨拶、歩き方、飲食、排泄、コミュニケーション、生活習慣のすべては特定の文化圏における規律によってつくられています。その規律は「束縛」なのか?それとも「自由」な行為を生む母体なのか?

 本物の「わざ」や「芸」の世界では、からだが世界を揺り動かすような感覚を呼び起こされると岡崎先生は語ります。講義の後半ではアフリカ、インドネシアにおける、世界を、空間を変えるような身体表現の映像を、たくさん見せていただきました。自分たちとは全く異なるテンション、からだの使い方、表現方法。PAI生も食い入るように映像を見つめます。迫力溢れる映像に、圧倒されるPAI生たち。








 現代ではロボット演劇やロボット工学、サイボーグの研究も盛んですが、ロボットを使うことではじめて人間の身体のつくりがわかるといいます。それは人間の研究なのかもしれません。

 自分とは異なる他者の存在。「からだ」という他者とどう向き合い、そこからなにを生み出すのか。今後のPAI生の活躍が改めて楽しみになった授業でした。