2012年7月17日火曜日

<からだの座学>音楽家/菅谷昌弘さん

本日は、音楽家/菅谷昌弘さんによる<からだの座学>レポートです。
菅谷先生は1987年から2005年までパパ・タラフマラの音楽を手掛けられ、現在もテレビドラマやCM、ラジオ音楽など幅広くご活躍されています。

今回の座学では様々な音楽を実際に聞きながら、その多様性にふれる貴重な機会となりました。

現代音楽、民族音楽、日本の民謡など様々な側面から音楽を解剖してゆく今回の講義。
初めて耳にするような音楽も多く、PAI生も真剣そのもので話に聞き入ります。

終盤に聞かせて頂いたスティーブライヒの音楽のなかでは、電車の音や環境音がそのままメロディになっていました。駅名を呼ぶ声など、日常に溢れる「音」にもメロディやリズムがあることに改めて気づかされます・・・
 


お次はイヌイットの音楽(喉打ち、喉歌、カタジュジャク )。ボディ(人体)そのものが楽器だという発想から、息を使って奏でられるリズムはこれまでに聞いたことの無いような「音楽」でした。


これはイヌイットの文化の中では、一種のゲーム(遊び)だったそうで
一説によると、コミュニケーションや低温化に抗うためのひとつの手法だったという話もあるそうです。

いわゆる西洋音楽教育から外れた文化のなかで育まれた音楽・・ふむふむ

続き、「鉄道 どやさん地固め唄」や「具象八幡のやっちぐ」など、日本民謡の原型となるような音楽を聞かせて頂きます。
拍子が変則的な日本民謡は、現代の近代的な枠組み(リズム)に慣れてしまっているとちょっと捉えずらいかも?

話はリズム構成についてのお話へと深まります。
次に聞かせて頂いたのが、ブラジルでは非常に著名な音楽家、ミルトン・ナシメントの サンビンセント。ブラジルはこれまでの歴史的な事象から非常に複雑な文化背景をもっており、魅力的な音楽も多いのだとか。


一つの音楽の中で、2.3.4の拍子がリズムを構成しています。
カウントをしてみるPAI生たち。まるで曼荼羅の様です。

音楽を通して、自身が感じ取っている様々な“常識”がいかに近代西洋文化の中で育まれてきたのかということを実感した講座となりました。

「音楽は一気にいろいろなことを取り込める、旋律、リズム、が複雑に絡み合うことで曼荼羅に近い作用がある」と、菅谷さんからのお言葉。

自分と世界との関係について、思いを巡らすPAI生なのでした。


(事務局)





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