2012年11月7日水曜日

<からだの座学>金子一明さん・からだのココロ(生理学・解剖学を交えて)

<からだの座学>今回は内科医の金子一明先生にお越しいただきました!
タイトルは「からだのココロ」 。
スライドを交えつつ、お話頂きました!

まずは「Goods AND NEWS」というワークから。
2人組みになり、お互いに最近あった楽しかったこと、新しいことを話します。
話してみるとびっくり、あまりするすると言葉がでてきません・・!
「(特に日本人は)日々やなことやダメだったことばかりを考えるクセがついている」のだそう。
本来は「いいことや新しいこと、嬉しいことに目を向けて行ったほうが伸びる」のだそうです。今後も意識して「Goods AND NEWS」に取り組んでみるのも良いかも。


金子先生は、現在、諏訪の病院で内科医を務めていらっしゃいますが、
普段から「アートと地域コミュニティについて考えている」そうで、
現在はNPO法人松本cinemaセレクトの理事も務めていらっしゃいます。
また、ダンサーの東野祥子さんや森下真樹さんのワークショップなどに参加をしたり、
企画することもあります。2012年5月に実施された茅野市民館での「小池博史市民創作ワークショップ」も金子先生による企画でした!

パパ・タラフマラとの出会いは、大学生の頃。入学後、あまり様々なことに興味がわかなくなっていた頃、パフォーマーの小川摩利子のワークショップに出て、衝撃的な体験をしたのがきっかけだそうです。「からだが、世界に肯定され、色彩や声がやってきた。」と話す金子先生。 それ以来、パパ・タラフマラの作品はほぼ欠かさず観ていらっしゃるそうです。


金子先生は3.11の震災の際、被災地に訪れ医療活動をされていらっしゃいました。
その時の様子をスライドにてご紹介頂きました。

「今回の震災では、人も、場も、コミュニティも、風景も、すべてがうしなわれ、
その傷はまだまだ被災地に深く爪痕を残している。」
被災地でボランティア医療活動をされてきた先生から多くの生々しいお話をお聞きしました。






続いて、日本人のからだと文化についてのお話。
農業を生活の中心に据え生活をして来た日本人はもともと腰腹文化でしたが、
生活が西洋化するにつれ、だんだんと重心が高くなって来ており、
その様子は言葉にも反映されているのだとか。
「これまでは起こっている様を表すとき『腹が立つ』と表現していたが、
『むかつく』となり、そして『きれる』となった。むかつくのは胸、キレるのは頭。
まさに感情を受けとめるからだの位置が、徐々に高い位置となり、
最近では頭だけで感じ取る文化に変わりつつある。」


内臓感覚、螺旋とリズム、関節や筋肉のお話など、からだとココロと文化の密接な関係を、解剖学的な観点や、歴史的な観点などをふまえ一つ一つひもといてゆきます。




「13世紀以降、自我と時間と通貨がほぼ同時に生み出され、それまでは起きていなかった身体と自分(自我)の乖離という現象が起きはじめた。」

「近代以降、操作され、束縛され、管理されるものとなった身体はひずみ、
 様々な問題が浮き彫りにされてきた。特に現代になると、身体と心の乖離、そして精神障害等との関係性が注目されるようになった。」








などなど、普段はあまり触れることの無い領域からの観点を知ることで、
自身のからだや現代人のからだについて、より理解が深まったPAI生たちでした!

(事務局 山内)


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